生命保険には、解約返戻金というものがあります。これは、貯蓄性のある生命保険の保険契約に基づいて途中解約時に払い戻されるお金のことを言います。
貯蓄性のある生命保険の場合、満期になれば払い込み保険料の総額よりも、多くのお金を受け取れることになりますが、途中解約をしても、生命保険の加入済み年数に応じて払い戻されることになります。
解約返戻金の対象の貯蓄性のある生命保険とは?
「定期保険」は、いわゆる掛け捨て型の生命保険のため、解約返戻金はありません。その分、毎月支払う保険料が低くなっているのです。
一方、満期になったら払い込み保険料総額よりも多くの金額を受け取れる「養老保険」や死亡保障が一生涯続き最終的には保険金を受け取れる「終身保険」は、貯蓄性のある生命保険であり、解約返戻金の対象になります。
解約返戻金は、生命保険に加入している期間が長いほど高くなる
解約返戻金は、返戻率(解約返戻金/払込保険料総額)であらわされることが多いのですが、返戻率は生命保険の加入期間が長くなればなるほど、大きくなり、一定の期間を超えると払込保険料総額よりも、解約返戻金の金額の方が大きくなります。
返戻率(解約返戻金/払込保険料総額)が100%を超えるということです。
そのため、貯蓄性の生命保険の場合は、加入してすぐに解約してしまうと損をしてしまうことになります。
生命保険の解約返戻金例
アクサダイレクト生命 死亡保険(終身保険)「カチッと終身保険」
30歳男性 保険料払込期間55歳、死亡保険金額300万円の場合
払込年数 | 解約返戻金 | 既払込保険料累計額 | 解約返戻率 |
---|---|---|---|
1年 | 52,800円 | 79,668円 | 66.20% |
3年 | 160,800円 | 239,004円 | 67.20% |
5年 | 271,200円 | 398,340円 | 68.00% |
7年 | 384,600円 | 557,676円 | 68.90% |
10年 | 560,400円 | 796,680円 | 70.30% |
13年 | 742,200円 | 1,035,684円 | 71.60% |
15年 | 867,000円 | 1,195,020円 | 72.50% |
20年 | 1,192,200円 | 1,593,360円 | 74.80% |
25年 | 2,198,100円 | 1,991,700円 | 110.30% |
30年 | 2,310,900円 | 1,991,700円 | 116.00% |
上記のように25年を過ぎると返戻率が100%を超えて、払込保険料総額よりも、受け取れる解約返戻金が大きくなっているのがわかります。
一方、10年で途中解約した場合は、約7割しか戻ってこないことになるのです。
解約返戻金から見る貯蓄性のある生命保険加入のコツ
貯蓄性のある生命保険の場合は、途中で解約してしまうと損をするということなのです。特に加入してからすぐに解約しなければならない状態になると、元本も戻ってきません。これであれば、定期預金をしておいた方が良かったということになりかねないのです。
貯蓄性のある生命保険を検討している場合も、余裕のある資金全部を生命保険に回すのではなく、有事の際にも生命保険は解約せずに別の手段でお金を工面できるように、定期預金などの預金とバランスをもって、両方利用することが重要なのです。
生命保険か、貯金か、という2者択一ではなく、どちらもバランスよく利用するライフプランを設計しましょう。