生命保険加入前に知るべき公的保険の「遺族年金」

japan128_128生命保険というのは民間企業が提供してくれるリスク回避のためのサービスです。しかし、忘れてはいけないのは日本人であれば、強制的に加入している保険があるのです。

強制加入の保険って何?

日本人であれば強制的に加入している保険には「健康保険」「老齢年金」「遺族年金」「障害年金」「介護保険」「労災保険」「雇用保険」などがあります。

国が提供している保険と考えるとわかりやすいでしょう。

「俺入っていないかも?保険料払ったことがない。」と思っている方でも基本的には会社員であれば、給料をもらう前に源泉徴収として引かれているので、加入しているはずなのです。

民間企業の保険というのは、強制的に加入している保険「公的保険」で用意できるお金では足りないお金に関して準備するためのものなのです。

生命保険を選ぶときに考えるべきは「遺族年金」

生命保険というのは、家計を支えている方がなくなった時に残された家族が生活していくためのものです。

これと同じ役割を果たしてくれる公的保険が「遺族年金」です。「遺族年金」は家計を支えている方がなくなった時に残された家族に保険金が支払われるものです。

つまり、生命保険で必要な保険金額を計算するときには、「遺族年金」でももらえる保険金額は引いて考えるのです。

「遺族年金」分を引かずに考えるということは、保険金額が無駄に高くなり、結果として保険料が高くなってしまいます。

「遺族年金」は3種類

「遺族年金」には、個人事業主などが加入する国民年金加入者がもらえる「遺族基礎年金」と企業で働いている厚生年金加入者、公務員が加入する共済年金加入者がもらえる「遺族厚生年金」があります。

  • 国民年金加入者 = 「遺族基礎年金」
  • 厚生年金加入者 = 「遺族基礎年金」 + 「遺族厚生年金」
  • 共済年金加入者 = 「遺族基礎年金」 + 「遺族厚生年金」

という形になっているのです。個人事業主よりも、企業で働く方の方が保険金額は手厚いことになります。

「遺族年金」の支給内容

※2014年6月時点

遺族基礎年金

支給要件

被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした者が死亡したとき。(ただし、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が加入期間の3分の2以上あること。)

対象者

死亡した者によって生計を維持されていた

  1. 子のある配偶者

※子とは次の者に限ります。18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子、20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

年金額

  • 772,800円 + 子の加算

※子の加算 第1子・第2子:各222,400円 第3子以降:各74,100円

遺族厚生年金

支給要件

  1. 被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。(ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。)
  2. 老齢厚生年金の資格期間を満たした者が死亡したとき。
  3. 1級・2級の障害厚生年金を受けられる者が死亡したとき。

対象者

死亡した者によって生計を維持されていた

  1. 子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)
  2. 55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる。)

年金額

複雑なため割愛しますが、報酬額と保険加入期間に応じて計算されます。

「遺族年金」の年金額の早見表

※2014年6月時点

国民年金加入者 = 「遺族基礎年金」 年間支給額

子供が18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない間は支給されます。

平均標準報酬月額 妻+子1名 妻+子2名 妻+子3名
20万円 0 1,012,800 1,239,100 1,314,500
25万円 0 1,012,800 1,239,100 1,314,500
30万円 0 1,012,800 1,239,100 1,314,500
35万円 0 1,012,800 1,239,100 1,314,500
40万円 0 1,012,800 1,239,100 1,314,500
45万円 0 1,012,800 1,239,100 1,314,500
50万円 0 1,012,800 1,239,100 1,314,500
55万円 0 1,012,800 1,239,100 1,314,500
60万円 0 1,012,800 1,239,100 1,314,500

厚生年金加入者 = 「遺族基礎年金」 + 「遺族厚生年金」 年間支給額

妻が受け取る場合は再婚するまで、再婚しなければ一生支給されます。※妻が30歳未満の場合は最長5年間です。

平均標準報酬月額 妻+子1名 妻+子2名 妻+子3名
20万円 324,911 1,337,711 1,564,011 1,639,411
25万円 406,139 1,418,939 1,645,239 1,720,639
30万円 487,366 1,500,166 1,726,466 1,801,866
35万円 568,594 1,581,394 1,807,694 1,883,094
40万円 649,322 1,662,122 1,888,422 1,963,822
45万円 731,050 1,743,850 1,970,150 2,045,550
50万円 812,277 1,825,077 2,051,377 2,126,777
55万円 893,505 1,906,305 2,132,605 2,208,005
60万円 974,733 1,987,533 2,213,833 2,289,233

共済年金加入者 = 「遺族基礎年金」 + 「遺族厚生年金」 年間支給額

平均標準報酬月額 妻+子1名 妻+子2名 妻+子3名
20万円 377,192 1,389,992 1,616,292 1,691,692
25万円 471,490 1,484,290 1,710,590 1,785,990
30万円 565,788 1,578,588 1,804,888 1,880,288
35万円 660,086 1,672,886 1,899,186 1,974,586
40万円 754,384 1,767,184 1,993,484 2,068,884
45万円 848,682 1,861,482 2,087,782 2,163,182
50万円 942,980 1,955,780 2,182,080 2,257,480
55万円 1,037,278 2,050,078 2,276,378 2,351,778
60万円 1,131,576 2,144,376 2,370,676 2,446,076

まとめ

遺族年金は年間100万円~200万円もの支給がある残された遺族にとっては非常にありがたい保険金額です。

この保険金部分が民間企業の生命保険の保険金額から引けるというのは、保険料を引き下げられる大きな要因になるのです。

ただし、状況や年金の払い方によっていくらもらえるのかが変わってくるため、自分の家族が適用される遺族年金の支給金額は正確に把握しておく必要があります。

とくに個人事業主の方は、会社で働くサラリーマンと比較して遺族年金の支給額が少なくなってしまいます。そのため、民間企業の生命保険の保険金額も多めに設定する必要があるのです。

では、次に保険金額を決めるための必要保障額の試算をしましょう。