「お宝保険」という言葉があることをご存知でしょうか。実は1994年よりも前に貯蓄性のある生命保険に加入していた方は「お宝保険」の可能性が高く、安易に生命保険の見直しをしない方が良いのです。
「お宝保険」とは
「お宝保険」とは 、簡単に言えば
予定利率の高い貯蓄型の生命保険
のことです。
予定利率とは、生命保険会社が預けてもらった保険料を運用して増やすことができると考えられる利率のことで
- 予定利率が高ければ、満期の保険金額(解約返戻金)が高くなる
- 予定利率が低ければ、満期の保険金額(解約返戻金)が低くなる
性質のものだと理解すれば良いです。
1994年以前の貯蓄型生命保険は「お宝保険」の可能性が高い
バブルの時代は、不動産を持っていれば倍々ゲームで資産価値が上がる時代であったため、銀行の預金金利も高く、生命保険の予定利率も5%を超える高い状態だったのです。
予定利率が5%ということは、払込保険料総額に対して、満期保険金の額がかなりのプラスになる生命保険ということになります。
バブル期であれば、そのぐらいの予定利率を設定しても、生命保険会社は余裕で運用ができると考えていたのです。
しかし、現在では普通預金の金利が0.02%ともはやゼロに近い状態になっている不況の真っただ中では、年率5%で運用できる資産運用先など皆無に近く、現在の貯蓄型の生命保険の予定利率は1%と5分の1にまで下がってきているのです。
予定利率の推移
- 1976年 : 5.00% – 5.50%
- 1981年 : 5.00% – 6.00%
- 1985年 : 5.50% – 6.25%
- 1988年 : 5.50% – 5.75%
- 1991年 : 4.75%
- 1994年 : 3.75%
- 1996年 : 2.75%
- 1999年 : 2.00%
- 2001年 : 1.50% – 1.75%
- 2013年 : 1.00% – 1.50%
「お宝保険」を解約して生命保険を見直しをしたら損
予定利率が高いときに契約した「お宝保険」を解約して、生命保険を切り替えてしまうと、今の予定利率が適用されてしまいます。
つまり、将来受け取れる満期保険金額が大幅に下がってしまう可能性があるのです。
「そんなの当たり前でしょ。」
と思う方も多いかもしれませんが、実際に「お宝保険」を解約して、定期保険に入りなおしてしまうケースが非常に多く、一時期は社会問題にもなっていたのです。
なぜなら、生命保険会社は、予定利率が高い状態の「お宝保険」が多いと、経営を圧迫してしまうのです。年率5%以上で運用することは生命保険会社にとっても至難の業であるため、生命保険会社の営業マンは言葉巧みに「お宝保険」から、ほかの保険への契約切り替えをセールスしているのです。
「今なら契約を切り替えた方が、保険料も安くなって、受け取れる保険金額が2倍になりますよ。」
なんて、うたい文句で営業されてしまうと、生命保険の知識のない方は「そうかぁ、じゃあお願いします。」となってしまいまがちなのですが、
実際は「予定利率が高い満期になったら保険金額が受け取れる養老保険」から「満期になっても保険金が受け取れない掛け捨て型の定期保険」へ切り替えさせらえていて、後になって公開したなんてことも、数多く発生しているのです。
1994年よりも前に契約した生命保険で、養老保険、終身保険、個人年金保険などの貯蓄性のある生命保険の場合は、安易な生命保険見直しはしない方が良いということを覚えておきましょう。