「会社をクビになった」「会社が倒産した」「身内の病気で予想外の出費があった」・・・などなど何十年も保険料を払い続ける生命保険の場合は、一時的に保険料の支払いが難しくなってしまうこともあるかと思います。こういうケースでも保険の契約がすぐに失効してしまうというわけではなく、様々な対応策があるので把握しておきましょう。
1.一時的な支払い困難時に利用する「自動振替貸付制度」
会社を辞めてしまって一時的に収入が途絶えてしまった場合などに有効なのが「自動振替貸付制度」です。「自動振替貸付制度」は簡単に言えば、将来受け取る「解約返戻金」「満期保険金」を前借できる制度と言っていいでしょう。
「解約返戻金」の約9割を上限として、一般的なローンよりも低金利でお金を借りることが可能になります。生命保険会社にとっては、本来支払う予定の「解約返戻金」を貸すだけなので、貸し倒れリスクなどは発生しない分、銀行や消費者金融のローンよりも低金利で貸付してくれるのです。
この「自動振替貸付制度」を利用して、返済前に保険金が発生したり、解約返戻金が発生する場合は、貸付額を差し引いた金額が支払われます。この制度は、「解約返戻金」「満期保険金」のある貯蓄性の生命保険のみに利用できる方法で、掛け捨て型の定期保険などでは利用できません。
2.保険料の支払いを止めて、解約返戻金分、保険期間を延長する
保険料の支払いを止めて、そのタイミングでの解約返戻金を利用して生命保険の保険期間を継続する方法があります。保険料の支払いはしなくて済む一方、「保険金額を引き下げる」「保険期間を短くする」など保障内容も引き下げる必要が出てきます。
払済保険
保険料の支払いを止めて、その分保険金額を引き下げて、当初予定通りの満期まで保険期間を延長する方法。保険料の支払いをしなくても保険が継続できる一方、保険金額(保障額)は少なくなります。
延長保険
保険料の支払いを止めて、その分保険期間を短くする方法。保険金額(保障額)は変わりませんが、保険料の支払いをしなくても保険が継続できる分、満期までの期間が短くなります。
3.保険料を減額する
完全に保険料の支払いが難しいのではなく、毎月の保険料支払いを減額したい場合は単純に保険金額を引き下げるという方法もあります。
この場合、同じ保険会社で同じ保険での見直しをする方法と他の保険会社の生命保険に乗り換える方法があります。
まとめ
このように保険料が支払えないと言っても、すぐに保険契約が解消されてしまうわけではありません。どの方法が良いのかは状況によってことなりますが、保険会社の営業マンだけでなく中立な立場で相談できるFP(ファイナンシャルプランナー)に質問するなどの方法も検討すると良いでしょう。