生命保険を見直す際に重要視しなければならないのは「特約の排除」です。できるだけ「特約」を外した生命保険に加入しなおすことが重要です。
なぜ「特約」は損なのか?
生命保険では「主契約」+「特約(オプション契約)」という形で成り立っています。多くの方がいざ主契約を選ぶときは「定期保険」にすべきか?「終身保険」にすべきか?保険金はいくらにすべきか?など多くのポイントで保険契約を比較するのですが
実際に「主契約」を決めた後に「特約」を見ている間に、「このリスクもあるかも」「このケースにも備えておきたい」・・・と無駄に「特約」をプラスしていってしまう傾向にあるのです。
「特約」が増えてしまえばしまうほど、本来の主契約にかかる保険料が増加してしまい、生命保険を選ぶ前の「目的」を見失ってしまう可能性があるからです。
オプションである「特約」は保険加入の目的に合致せず、保障がダブっているケースが非常に多いのです。
外すべき特約トップ3
1.三大疾病保障特約
三大疾病(がん・脳卒中・急性心筋梗塞)により所定の状態になると保険金が受け取れる特約のことです。
なぜ無駄なのか?
「所定の状態になると」の「所定の状態」がほとんど発生しない無駄の原因なのです。
例えば、脳卒中というのは日本で死亡理由のトップ3に入るものですが、100種類以上ある脳血管障害の中で、この特約の対象になるのは、くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞の3種類しか適用されない特約がほとんどなのです。
また、「診断されてから60日以上○○の状態が続いた場合」というような期間と状態の縛りがあります。通常、この状態が続くと死亡してしまうリスクが高い設定になっており、生存したままこの特約分を受け取れる可能性は低くなってしまうのです。
このように、単純に医師に「がん・脳卒中・急性心筋梗塞」と診断されたら保険金がもらえると勘違いしている方が多いのですが、「所定の状態」とこの認識には大きな差があることを知る必要があるのです。
2.女性特約
女性特有の病気に備えるための特約です。女性の方であれば多くの方がこの特約に加入しているのではないでしょうか。
確かに、女性特有の病気になった場合に入院給付金が上乗せされるのは大きなメリットのように感じますし、「女性特有の」と言われてしまうと、女性であれば入らなければならないような印象を受けてしまうのです。
しかし、実際は女性特有の病気でも、通常の医療保険でも入院給付金は支払われます。特に対応ができないということではないのです。
保障がダブっているのです。
保険料に余裕がある方であれば加入しても問題ありませんが、女性の方でも女性特約に入る特別な理由はないと言っていいでしょう。
3.介護特約
認知症など要介護状態が継続した場合に介護給付金が支払われる特約です。
必要ない理由としては、そもそも公的保険で介護保険というものに日本人であれば加入しています。つまり、ここでまず保障の重複が起こっているのです。
また、多くの介護特約は「要介護状態3でその状態が180日以上続いた場合」などかなりハードルが高い適用条件を用意しています。つまり、相当重度の介護状態でないと給付金は支払われないのです。
支払われる可能性の低い保険の特約に保険料を無駄に払う必要はありません。
まとめ
特約のすべてが意味のないものではありませんが、所定の状態になるリスクや可能性と保険料を正確に比較することができなければ、本当に必要な特約というのは判断できない人の方が多いと思います。
つまり、生命保険の見直し時には「無駄な特約」にはなるべく入らないことを前提にして検討すると良いでしょう。