生命保険には、「告知義務」と呼ばれるルールがあります。これは読んで字のごとく「告知」をする「義務」のことを言います。何に対する「告知」かというと過去の病気や今の健康状態のことについてです。これの告知義務を怠ってしまうと生命保険の保険金が支払われないため注意が必要なのです。
なぜ、告知する義務があるの?
生命保険は、あくまでも相互扶助の仕組みです。生命保険料を払っている人と、受け取る生命保険金額は等しくすることからも平等でなければならないのです。
仮に、大きな病気を持っている場合、健康な方に比べて死亡率は高くなります。死亡率が高くなるにもかかわらず、その病気になっていることを告知しないで、保険金をとる方が増えてしまったとしたら、それ以外の方が負担する保険料が増大してしまうことになるのです。
危険度の高い職業に就いているなども隠していると告知義務違反になるのです。
告知義務があるもの
生命保険会社が「告知書」などで聞いてくることに回答するのが「告知義務」です。
この告知書に記載される質問は生命保険会社によって異なり
- 過去の傷病歴(傷病名・治療期間等)
- 現在の健康状態
- 身体の障がい状態
- 職業など
になります。
告知義務違反になったら・・・
「告知書」にウソの情報を記入していたり、正確な回答しなかったりすると告知義務違反になり、保険契約が解除されます。この場合、今までに支払った払込保険料も戻ってきませんし、入院や手術などで保険金を受け取れる状態であったとしても、支払いを拒否されてしまいます。
告知違反が対象外になるケース
聞かれなかったことは、告知違反にはならない
2010年保険法が改正されました。今までは告知書に記載がなかった項目でも、重大な事実であれば保険の契約者自身が申告しなければ告知義務違反とされていたのですが、改正保険法では、聞かれなかったことに対しては告知義務が発生しないことになりました。つまり、今現在は、告知書に正確な情報を記載していれば告知義務違反にはならないのです。
2年たったら、告知義務違反が事項になるって本当?
「保険契約が責任開始期の属する日から、その日を含めて2年を超えて有効に継続しているとき」は、告知義務違反の時効になることになっています。
しかし、これには但し書きがあって
2年以内に
- 給付金の支払事由が発生
- 保険料の払込免除事由が発生
- 告知義務違反となる事実に基づいて、被保険者が入院または通院をした
という事実があった場合には、2年を超えても、保険契約の解除をすることが可能なのです。
さらに、約款には
- 「詐欺および不法取得目的による無効について」
という条文も用意されています。
悪質なケースで、告知義務違反が行われたと保険会社が判断した場合には、2年を経過しても保険金が支払われない、保険契約が解除されることになるのです。
2年で時効ということに惑わされずに、告知書には正確な情報を記入しましょう。