終身保険は貯蓄性のある生命保険ですが、満期になると自動的にお金が戻ってくる保険ではありません。あくまでも解約したときに解約返戻金という形で、今まで払っていた保険料以上のお金が返ってくるため、貯蓄性があると言われているのです。
終身保険の解約返戻率とは
終身保険は解約するとお金が戻ってくる生命保険です。解約しなければ保障が一生涯続き、契約者が死亡したときに保険金として遺族の方に支払われるものなのです。
解約したときに戻ってくるお金のことを解約返戻金と言い
払込保険料に対しての解約返戻金の割合のことを解約返戻率と言います。
解約返戻率が90%であれば、払ってきた保険料の9割しか戻ってこないことになり、1割分損をしていることになります。
一方、解約返戻率が110%であれば、払ってきた保険料に対して1割プラスで戻ってきたことになり、1割分得をしていることになります。
基本的に終身保険の場合は、満期になるまでは解約返戻率は100%を切る設定になっていて、満期を超えると解約返戻率は100%を超えて、徐々に高くなっていくものです。
終身保険を選ぶときは解約返戻率が高い終身保険を選ぶべき
同じ保険金額で、同じ保険料だとしたら、解約返戻率が高いことに越したことはありません。
解約返戻率が高ければ、戻ってくるお金が大きいからです。
「私の場合は解約する予定がないから、同じ保険金額ならどちらも良い」という考え方は間違っていて、今から老後のことを予測することはできないのです。いつ、なんどき、まとまったお金が必要になるかわかりません。
つまり、一生涯保障として利用しようとしていても、解約返戻金が必要になる可能性があるということなのです。そうなのであれば、終身保険を選ぶ際に解約返戻率を比較しないのはもったいないことなのです。
終身保険の解約返戻率の比較例
30歳男性 保険金額300万円
保険会社 | 10年解約返戻率 | 15年解約返戻率 |
---|---|---|
AIG富士 | 103.5% | 107.9% |
三井住友海上あいおい | 101.8% | 103.2% |
東京海上日動あんしん | 101.0% | 104.1% |
アフラック | 98.5% | 100.5% |
というようになっています。
注目しなければならないのは、解約返戻率というのは解約するまでの年数によって、変動するということです。どの保険会社も足並みをそろえて変動するわけではなく、上記の例を見ても、10年で解約返戻率が高い終身保険と15年で解約返戻率が高い終身保険では、ランキングの順位が微妙に変わっていることがわかるかと思います。
基本は満期の解約返戻率で比較するものですが「満期をいつに設定するか?」という条件によっても一番解約返戻率が高い保険会社は変わってくるため、数パターンの比較をして、満期までの期間と同時に検討することをおすすめします。
上記の例には月払い保険料が記載されていませんが、月払い保険料が高ければ解約返戻率が高いとか、低いというような相関性はあまりありません。解約返戻率が同じであれば、月払い保険料が高ければそれだけ戻ってくる解約返戻金も大きくなるため、重要ではないのです。
まとめ
- 終身保険を選ぶ際には「解約返戻率」が重要になる
- 「解約返戻率」は満期までの保険料払込期間によって変動する
- 「解約返戻率」が高い終身保険も満期までの保険料払込期間によって変動する
貯蓄性のある終身保険を選ぶ場合には上記のようなポイントに気を付けて、解約返戻率の高い保険会社を選ぶことをおすすめします。