「生保会社のカモになる消費者たち」というYahoo!ニュースについて考える

ghost128_1282014年2月17日のYahoo!ニュースには「生保会社のカモになる消費者たち~保険に入ってはいけない?裏側を元営業マンが告白」という記事が掲載されていました。知らない人が見ると「えっそうなんだ。」と勘違いしやすい内容でしたので、編集者なりに解説してみたいと思います。

記事に書いてある骨子

「生保会社のカモになる消費者たち~保険に入ってはいけない?裏側を元営業マンが告白」

相互扶助と言っておきながら、支払っている保険料は保険会社に取られている

生命保険は、支払う保険料と支払われる保険金額が同じになるため、相互扶助の仕組みなんです。と営業しておきながら、実際に支払われる保険金の25%前後の費用は「保険会社の経費」に使われているため、保険金として戻ってくるのは75%前後に過ぎない。これは競馬の還元率と変わらない。

考察

半分その通りです。確かに相互扶助でありながらも、「支払う保険料総額」と「支払われる保険金額」はイコールにはなりません。仮に保険料と保険金が同額であれば、保険会社には収入がないことになり、経営もできなくなってしまいます。

しかし、やはり競馬などの公営ギャンブルと同じ分配率という見解には同意しかねます。確かに競馬も25%は農林水産省がテラ銭として徴収し、残りの75%が配当金にまわる設計になっています。厳密に言えば、18%~26.2%の間と言われています。

なぜなら、ギャンブルと保険は商品としての性質が全く異なるものだからです。ギャンブルは的中しなければ配当はもらえませんが、生命保険の場合は、保険会社が破たんしない限り契約に基づいた事象が発生すれば確実に支払いは実行されるからです。

保険は入らない方が良い

「保険は入らないに越したことはないのです。実際、保険に加入しなかったことで受ける経済的打撃を想定した時に不可欠と思えるのは『小さな子どもがいて貯蓄も少ない世帯主が、自身の万が一に備える保険』くらいです。入院保障は貯蓄で対応したほうがいいし、手数料が高い保険で資産形成を目論むのも間違い」

考察

これも、無理がある論理です。自分で貯金をした方が、手数料が高い保険で資産形成をするより良いという話ですが、他のページでも述べているように、そもそも貯金と生命保険では性質が違うのです。貯金はだんだん貯まっていくものなので、30年後に死亡するのであれば、手数料の大きい生命保険よりも貯金の方がお得になるかもしれませんが、契約後5年で死亡してしまった場合は、生命保険で受け取れる金額はその時点までの貯金額の数倍になるでしょう。

あくまでも、生命保険は安心を買う金融商品であって、分配率が高いから利用するのを止めて手数料のない貯金をするのでは、安心を買うことはできないのです。

それでも、分配率が気になる方は貯蓄性のある養老保険を選べば良いでしょう。満期になった時点で預金と同等の満期保険金が受け取れるため、分配率云々の関係はありません。支払った保険金に対して、100%以上戻ってくるからです。

さらに生命保険の保険料は、所得税などの税金も控除される別のメリットもあるのです。

保険会社の営業マンの営業方法

「おすすめの商品」を知りたがる人には、営業担当者は自分に入る手数料の高い商品を勧めるだけだし、「みんなが入る保険」に入りたがる人は、短時間で契約に至るために営業担当者はラクをする。

考察

これはその通りです。生命保険の営業マンは、歩合の割合が大きいのです。そのため、「おすすめの商品はどれですか?」というと、「歩合の割合が大きい商品」=「生命保険会社の利益が大きい商品」=「利用者の損が大きい商品」を営業してくるのです。

この記事の中では、無料相談なども、同じロジックであると解説していますが、実際は違います。生命保険会社に所属せずに、無料相談などのサービスを利用して営業しているファイナンシャルプランナーにとっては、「お客さま」は次の「お客さまを紹介してくれる方」にもなりうるのです。

確かに、紹介したときのバックマージンは、紹介する生命保険商品によって多い、少ないがありますが、「お客さま」の意向を無視してマージンの多い生命保険商品だけを販売していては、「お客さま」は次の「お客さま」を紹介してくれる可能性は少なくなってしまうのです。

40万人と供給過多になっているファイナンシャルプランナーにとって、「お客さま」に不満を持たれてしまうことは、営業上大きな不利になってしまい、多少のマージンの差以上のダメージになりうるからです。生命保険会社に所属している営業マンやファイナンシャルプランナーと、独立しているファイナンシャルプランナーの大きな違いと言っていいでしょう。

まとめ

非常に刺激的な言葉が並ぶ、面白い記事ですが本の売り上げを伸ばすためにわざと刺激的な内容にしているのでしょう。すべてを鵜呑みにするのではなく、ひとつの参考情報として生命保険選びに生かすの重要だと考えます。