生命保険と預貯金の違いを明確に応えられる人はあまりいません。生命保険選びをする前に預貯金との違いを把握しておきましょう。
預貯金では万が一の費用が捻出できない可能性がある
預貯金というのは、普通預金、定期預金など銀行にお金を預けることを意味します。銀行にお金を預けることで利息(利子)が発生し、お金が増えていくという資産運用方法になります。
預貯金を利用していない方はほぼいないと思いますが、万が一、稼ぎ手である世帯主が急になくなってしまった場合に残された家族の生活を保障するだけの貯金がある人はどのくらいいるでしょうか?
2013年度の調査では、貯蓄額の中央値は330万円です。貯蓄額の場合、平均を見てしまうと一部の人が高額の貯蓄があるケースが多く、高い数字になってしまうため、全体の真ん中の人の数字「中央値」を指標にするのです。
年代別の貯蓄
年代 | 貯蓄のない世帯 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|---|
20代 | 35.4% | 219万円 | 75万円 |
30代 | 30.2% | 379万円 | 200万円 |
40代 | 32.6% | 700万円 | 225万円 |
50代 | 33.0% | 1067万円 | 379万円 |
60代 | 30.2% | 1535万円 | 670万円 |
上記を見ると分かる通り、20代で75万円、30代で200万円の貯蓄が相場なのです。必要保障額から見ると、これで残された家族の生活費が担保できるわけではなく、葬式代に使ったら終わってしまう金額なのです。
貯金は預けた分だけお金があるので、掛け捨て型の定期保険などと比較すると損をしない資産運用方法なのですが、金利もほぼゼロ%の現代では到底残された家族の生活を支えていくことはできないのです。
生命保険は、保険契約が行使されたらいつでも保険金が受け取れる
貯金の場合は、仮に1000万円の保障が必要となった時に月10万円ずつ貯金しても8年以上かかります。8年間経つ前に万が一の起こってしまった場合には対処ができないのです。
しかし、生命保険であれば月数千円の保険料を払っていれば、保険契約が成立すれば、次の日に万が一のことがあったとしても保険金の1000万円が受け取れることになります。
20代でも、30代でも、残された家族の生活を守ることができるのです。
掛け捨て型の定期保険の場合は、払った保険料が返ってこないというデメリットがありますが、それでも月数千円の負担で良いのであれば、月10万円を貯金して8年かけて1000万円を貯めるよりは現実的と言えるでしょう。
だからこそ、若い方でも家族がある方の多くは生命保険に加入しているのです。
生命保険には、所得税や住民税を軽減する優遇措置もあるので、その分も金銭的にはプラスになります。
預貯金のメリットデメリット
メリット
- 必要な時にいつでもお金を使うことができる
- 利息が受け取れる
- 使いみちはなんでも良い
デメリット
- 必要な金額「必要保障額」を貯めるには長い年月がかかる
- 万が一のときの経済的なダメージに対応できない可能性がある
- 低金利で利息の旨みはほとんどない
生命保険のメリットデメリット
メリット
- 契約が成立すれば、万が一のことがあってもすぐに保険金が受け取れる
- 生命保険の種類によっては保障と貯蓄の両方の役割を実現できる
- 支払った保険料に応じて税金が軽減できる
デメリット
- 中途解約をすると払込保険料の一部が戻ってこないケースがある
- すぐに引き出すことはできない
- 持病や健康状態に異常があると入れないケースもある
まとめ
上記の通りで生命保険と預貯金の違いは理解していただけたかと思います。
生命保険を選ぶか?預貯金を選ぶか?という二者択一ではなく、状況に応じて両方とも使いわける必要があるものなのです。
とくに、家族がいて預貯金が必要保障額に届かない方は、稼ぎ手に万が一のことがあった場合の残された家族のためにも、必要保証額分の生命保険に加入することをおすすめします。